プログレッシブ・ロックとアルバムの個人的随想
KING CRIMSON, YES, PINK FLOYD, EL&P, RENAISSANCE, GONG, NEW TROLLS, OSANNA
プログレッシブ・ロックという言葉を一般に耳にしなくなって久しい。まだ高校生だった頃に最ものめりこんだ音楽がプログレッシブ・ロックでした。
プログレッシブ・ロックと言う呼び名は、1970年ピンクフロイド「原始心母」の発売の際に付けられ、それから10年ほどがプログレッシブ・ロックの時代です。やがてこの言葉は音楽シーンのメインから消えていきました。
しかし、プログレッシブ・ロックが現在の音楽に与えた影響は計り知れません。音楽は常に歴史の上に成り立っています。プログレッシブ・ロックなくして現代のロックもまたありえない存在なのです
Contradanza / Vanessa Mae / バネッサ・メイ
バネッサ・メイはオリンピックで荒川選手が曲を使用したことで、やっと知名度が上がったが、1995年に Violin Player という素晴らしいアルバムを、なんと16歳で発表した天才バイオリニストだ。 このアルバムを見つけたときは、本当に嬉しかったバイオリンを使ったロックは久しく聞けなかったからだ。しかし、残念ながら日本ではそれほど認められてはいないのが残念。日本人には女子十二楽坊かボンドなんかのほうが向いているのかなぁ。 なんにしろこのYouTubeのビデオはいい。曲はこのアルバムの2曲目を飾る最もロック色の強い秀作。バックの演奏もすばらしい。
プログレッシブバイオリニスト
プログレ界のバイオリニストと言えば、
デビット・クロス エディー・ジョブソン ダリル・ウェイ、 この3人である。
私はロックバイオリンを愛してやまないのであるが、如何せんロックバイオリニストは少ない、しかし、この3人の業績と演奏は実にすばらしい。
プログレとバイオリンとの相性は非常に良いにもかかわらず、彼ら以外に優れたプログレバイオリニストは見つからないだろう。
事実3人の演奏は各バンドで大きな存在である。そのメインはカーブドエアとキングクリムゾンであり、これ以外にソロのバイオリンをフィーチャーしたプログレバンドは思い浮かばない。
デビット・クロスはクリムゾンでの活動しかデータがないのだが、クリムゾン後期の2枚のアルバムですばらしい演奏を聞くことができる。ライブ・アルバムのUSAも彼のクレジットであるが、ヴァイオリンはエディー・ジョブソンのオーバー・ダビングらしい。
ジョブソンはロキシーミュージックにブライアン・イーノの後釜で加入、その後クロスの抜けたクリムゾンやカーブドエアで、さらにはUKのメンバーとなる。
ウェイはカーブドエアのオリジナルメンバーなのだが、脱退後ウルフを結成し、名作を残す。さらにカーブドエアに戻り、ソロでもすばらしい作品を出している。
Curved Air / カーブド・エア & Wolf / ウルフ
カーブド・エアは日本ではそれほど人気がなかったのか、当時はアルバムを購入していない。カーブド・エアはソーニャ・クリスティーナという美しい女性ボーカルと、ダリル・ウェイのバイオリンがフューチャーされたバンドだ。
そのダリル・ウェイがバンドを抜け、作ったのがウルフなのだが、このウルフをプロデュースしたのが、あのイアン・マクドナルドなのだ。彼はクリムゾンをぬけた後目立った活動がなくなっていたのだが、ここでプロデューサーとして登場したのである。
Curved Air / カーブド・エア Vivaldi / ヴィバルディ
ヴィバルディの四季のフレーズ元に作られた曲だが、ヴァイオリンのソロが炸裂している。やっぱり上手いなぁ。
エフェクターでヴァイオリンにディストーションをかけてみたり、やりたい放題だ。面白い。
さらに面白いのは、シンセサイザーだ。miniムーグでもオデッセイでもない。なんだろう?サウンドはまさにアナログ、当時はこれが最高だった。まさにシンセの音。映像の魚はなんで??
Canis Lupus / カニス・ルーパス / Wolf / ウルフ
 1973/ - SIDE A ----------------------------------- The Void / ヴォイド Isolation Waltz / アイソレーション・ワルツ Go Down / ゴー・ダウン Wolf / ウルフ - SIDE B ----------------------------------- Cadenza / カデンツァ Chanson Sans Paroles / 無言歌 McDonald's Lament / 悲しみのマクドナルド - PERSONNEL -------------------------------- Darryl Way / ダリル・ウェイ / バイオリン Dek Messecar / デック・メセカー / ベース・ボーカル John Etherridge / ジョン・エサーリッジ / ギター Ian Mosley / イアン・モスレー / ドラムス Ian McDonald / イアン・マクドナルド / プロデュース
キング・クリムゾンオリジナル・メンバーのイアン・マクドナルドがプロデュースしたバンドである。キング・クリムゾン脱退後、マクドナルド&ジャイルスを結成、1枚のアルバムを発表するも、その後は主だった活動は見られなくなり、消息すらわからなくなったと言う。そして脱退から3年後、プロデューサーとしてカムバックしたのだ。それがこのウルフであった。
ライナー・ノーツにはダリル・ウェイのことよりもイアン・マクドナルドの方が先に取り上げられている。当時イアンはそれほど注目されていたミュージシャンなのだ。
しかし、イアンのプロデュースもこの1枚だけ、2枚目は別のプロデューサーが担当している。次にイアンがミュージック・シーンに登場するのは1976年のフォリナーの結成だ。
移り気な性格なのか、スーパー・グループとして大ヒットを飛ばしたフォリナーも1980年には脱退している。
フォリナーは1stアルバム『栄光の旅立ち』が300万枚、2ndアルバム『ダブル・ヴィジョン』が500万枚という売上げで、世界中で人気を得た。しかし、莫大なレコード売上から「産業ロック」などと呼ばれた。2006年も活動していたがその間20名ものメンバーが入れ替わっている。もちろんプログレッシブ・ロックではない。
バイオリンをメインとしたプログレッシブ・ロックとしての非常に優れたアルバムである。しかし、A面一曲目から流れ出すのはクリアーなトーンのギターだ。ギタリストはジョン・エサーリッジ、このバンドの後ソフト・マシーンに参加する、そのテクニックは素晴らしい、A1を聞く限りはこれがバイオリニスト、ダリル・ウェイの曲とは思えないではないか!
カーヴド・エアを脱退し、ダリル・ウェイが作ったウルフはただバイオリンのテクニック前面に押出したグループではなく、バンドとしてのまとまりを持ったプログレッシブ・ロック・バンドだった。
A面はボーカルもあり、バイオリン・メインの曲ではないが、2曲目のバイオリンソロはさすがに、生き生きとした音の感性に息を呑んでしまう。
3曲目ゴー・ダウンはギターが美しい小曲だ。メロディーも優しく和みの歌だ。ダリル・ウェイはキーボードでバックを勤める、間奏はジョンのきらびやかで繊細なガット・ギター、これが実にいい。
さすが、後にソフト・マシーンでアラン・ホールスワーズの後釜を勤めるだけのギタリストである。
B面はダリルの独壇場である。いきなり強烈なソロから始まる。ボーカルもなく、テクニカルで表情豊かなバイオリンが楽しめる。もちろんジョンのギターもそれに対抗し、技巧派のテクニックを聞かせてくれる。これは楽しい。しっかし、ジョンのギターは巧い。
B2は穏やかな優しい曲だ。ヴァイオリンが奏でるフレーズが緩急交互に訪れ、優しくも不思議な空間を作り出す。いい曲だ。
最後の「マクドナルド・・・」は即興らしい。静かなキーボードで始まるこの曲は、ダリルのバイオリンが美しく響き渡る名曲である。これがこのアルバム最高の曲だ。静かに盛り上がっていく構成はとてもただの即興と言う雰囲気ではないのだが、これこそが優れたミュージシャンの集まりから起こる音楽の奇跡のような気がする。
楽器を演奏する者なら、「あの時は、自分でも信じられないほどすごい演奏ができた」と思うことがあるのではないか?これは即興だからこそできたソロなんだろうなぁ。ダリルのバイオリンは、曲が進むにつれてボルテージは上がり、美しさが増していく。悲しさと美しさを、これほどまでに音で表現していくことに、鳥肌が立つほどの感動を味わうことができる。
全体的には構成力やテーマなど大作といった趣はないが、何しろ「マクドナルド・・・」のバイオリンの素晴らしさが印象に残る作品である。
Saturation Point / 飽和点 / Wolf / ウルフ
 1973/ - SIDE B ----------------------------------- The Ache / エイク Two Sisters / 二人の姉妹 Slow Rag / スロー・ラグ Market Overture / マーケット・オーバーチュア - SIDE B ----------------------------------- Game Of X / Xのゲーム Saturation Point / 飽和点 Toy Symphony / おもちゃのシンフォニー - PERSONNEL ------------------------------- Darryl Way / ダリル・ウェイ / バイオリン Dek Messecar / デック・メセカー / ベース・ボーカル John Etherridge / ジョン・エサーリッジ / ギター Ian Mosley / イアン・モスレー / ドラムス Sean Davis / ショーン・デイヴィス / プロデュース
Concert For Electrick Violin / エレクトリック・ヴァイオリンのための協奏曲 / ダリル・ウェイ
 1978/ - SIDE A ----------------------------------- 1stMovement Allegro Moderato / 第1楽章 アレグロ・モデラート 2nd Movement Slow / 第2楽章 スロー - SIDE B ----------------------------------- 3rd Movement Scherzo / 第3楽章 スケルッツオ 4th Movement Finale(Gigue) / 第4楽章 フィナーレ(ジーグ) - PERSONNEL -------------------------------- Darryl Way / Electric Violin With Orchestra Synthesised By Francis Monkman
Turn It Over / ターン・イット・オーバー / Eddie Jobson / エディー・ジョブソン
1983年に発売されたThe Green Album - with Zinc / グリーン・アルバムからのヒットターン・イット・オーバーである。83年なので、もはやプログレではないのだが・・・ ロキシー・ミュージック、カーブド・エア、キング・クリムゾン、フランク・ザッパ、UK、ジェスロ・タルと渡り歩いてきたエディー・ジョブソンの初のソロ・アルバムだ。 アルバムを持っていたのだが、手放してしまった。独特の雰囲気を持ってはいるのだが、正直あまり面白くなかったのだ。残念。 YOUTUBE、消えてしまった!!! ターン・イット・オーバーではなく別の曲ですが貼って置きます。Listen to Reason という曲です。意外といいです。
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